[本]『ヒット率99%の超理論』(五味一男 著)
著者の五味一男氏は、「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」、「マジカル頭脳パワー!!」、「投稿!特ホウ王国!!」などアラサー以上の世代であれば「あー!」となるような有名番組を数多く成功させた方です。この本は、その際の発想法について書かれています。シンプルな装丁が古き良きGoogleを彷彿とさせます。文量があって読ませる本と言うよりは、読者に考える機会を与えてくれるような本でした。何らかのマーケティングに従事している人間であれば、意識的か無意識的にか行なっている行動をうまく言葉に表現できていると思います。彼の超理論(五味理論)の原則を提示して、それに沿って様々なケースを一緒に考えるような構成になっています。それゆえ、速読の類にはあまり向いていないかもしれません。※読んでいて思いついたアイデアは末尾に記載しておきます。
※メモ※
五味理論
:「1,000万人以上に支持される新しい商品やサービス」を生むための理論。自分がやりたいことを優先させるのではなく、人々が潜在的かつ普遍的に求めているものを、彼らの代弁者となり見つけ出し、提供する。
PassionとHit
つくり手の思いが込められていることと、商品のヒットとの間には、ほとんど関係がない。
理論の実践のための2種類のマーケティング
重要なのは先取りマーケティング。後付けマーケティングだけでは不十分。
- 後付けマーケティング…結果をもとに、現状分析を行い、原因や背景を知り、改善していく
- 先取りマーケティング…人々が潜在的に抱いている「こんなものがあったらいいな」という気持ちを彼ら大衆よりも先に探し当てる
先取りマーケティングを習得するコツ
- 自分の頭の中に1,000万人以上の人々がもっている普遍的な感情をイメージする
- 子供から年配の方まで 、あらゆる層の人々が共通して持っている本能的かつ普遍的な気持ち、言い換えれば「最大公約数的な感覚」を持った「一般の人々の代弁者かつオピニオンリーダー」になる
- 自分自身の一人よがりを、きれいサッパリと捨て去り、積極的に「他人の集合体である人間全体」に興味を持ち、最も普遍的な大衆像をひたすら謙虚に、相手の立場に立ってイメージし、さらに深く洞察していく
スキマをついたコンセプトか?
「ありそうでなかったもの」を創ることが極めて大切。
※cf. "イノベーションに対する最大の賛辞"([本]『経営センスの論理』(楠木建 著))
確実に成功するための近道
徹底した客観的顧客視点で「自己否定」の「妥協を許さない繰り返し」(自己否定を怖れずに、ニーズにそぐわない自分の考えたアイデアを切り捨てる勇気)。
自己否定ができない人へ
素直に直しましょう。他人からの批判や評価は、「成功する自分」を育てる肥やし。
たいせつなのは、いざつくり手となったときに自分のエゴをいったん捨て、プロに徹し、一人でも多くの人びとが望むものをつくろうとする「やさしさ」と「思いやり」を優先させることができるかどうかです。
【着想】
- リアルタイム画像取得
ある対象となる地域やモノの近くに居る人に対して、撮影を依頼するサービス。ユーザーは「まさにその時」の画像を得ることができる。たしかにGoogleストリートビュー等で現地の画像を取得することはある程度可能だが、「まさにその時」ではない。このリアルタイム性が重要。画像提供者には枚数ごとに少額支払われ、画像が使われるとそれよりも数倍の金額が支払われる。画像利用者の登録は月額制。 - シェアペット
カーシェアリングのペット版。ペットを飼いたい人向けに一時的にペットを貸し出すサービス。登録制で、少し厳し目な審査を設けても良いかも。 - 出張足湯
オフィスビル勤務のビジネスマン向け。「新鮮な」熱湯を常に供給しつつ、足湯をさせてあげるサービス。オプションで何らかの効能があるお湯に変更できたり、ヘッドマッサージ、靴磨きなどを追加できる。 - テレビマスク
いつでもどこでもハンズフリーでテレビが楽しめる商品。形状はX-MENのサイクロプスが目につけているもののようなイメージ。寝ながらテレビが見れる。透明度も自由に変更できるので、テレビを見ながら作業できる。 - セカンドライフ+
セルフデータを蓄積していくことにより、もう1つの世界を作り上げるサービス。セカンドライフの自分では操作しないバージョン。定期的に仮想空間で実際に行動してもらった上でデータを更新し、「しそうなこと」「言いそうなこと」「好きそうなこと」などを本物に近付ける。そのデータに基いてセカンドライフ+上で生活していく。死なない。 - 全身クッション
上記テレビマスクとセット販売する商品。頭部からつま先にかけて全身を覆うシリコンの寝袋的なクッション。横たわって利用する。性欲処理用。テレビマスクで好みのソフト(ダウンロードできる)を見ながら、それに合わせてクッションの形状、柔らかさ、温度が変わる。
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