[本]『それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』(ケント・M・キース 著)
この著作が話題に上るようになって久しいため、もう既にこの本に書かれた内容を知っている方も多いかと思います。しかし、多くの方はこの「逆説の10ヵ条」をマザー・テレサから知ったのではないでしょうか。この10ヵ条(※正確には8ヵ条)は、「カルカッタの孤児の家」に書かれているそうです。
初めて本書を読んだ時に、涙が止まらなかったのを覚えています。泣いても泣いても、涙が止まりませんでした。不思議なくらいに。そのくらい、内容そのものに深く感動したのをよく覚えています。訳者あとがきにこのような言葉があります。とても共感しました。
私は涙の真実性を信じているところがあります。
逆の言い方をすると、深い真実に触れるとすぐに涙が出てきてしまいます。
本書を読んでいるときにも何度かそういう体験をしました。
著者のケントキースを知る人は、日本国内には少ないと思います。彼はthe Greenleaf Center for Servant-LeadershipのCEOです。それだけ言われても分かりませんよね。しかし真実はここにあります。
最も偉大な人々は知られる事なく死んでいった。
人々が知るキリストも仏陀も二流の英雄である。
――ロマンロラン
「オススメ」なんて言葉では想いが伝わらないくらい、オススメです。
※メモ※
「逆説の10ヵ条」とは
:仮に他の人たちがそれを良いこととして評価してくれなくても、正しいことを、良いことを、真実であることを常に実行し(人間としての意味に焦点を絞って逆説的な人生を生き)てみませんかという挑戦。
This world is a Crazy World
世界は意味をなしていない。しかし、あなた自身が意味をなすことは可能。
「逆説の10ヵ条」の起源
正しいこと、良いこと、真実であることを実践すれば、その行動自体に価値がある。そのことに意味がある。栄光など必要ではないという悟り。
1. 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
最高の愛は無条件の愛
欠点があっても、短所があっても、愛し愛される、それが無条件の愛。愛という贈り物を与えてください。受け取ってください。そうすることによって得られる限りない意味を楽しんでください。他の人が「扱いにくい」からといって愛することをやめてしまうのはもったいない。あなただって、私だって、そういう人と同じくらい「扱いにくい」ことが多いのですから。
2. 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
なぜ責められるのか
自分を利する隠れた動機から行動している人は、他の人も同じだろうと思って非難するのが常です。したがって、あなたが良いことをすれば、ひねくれてゆがんだ心を持っている人や、疲れきって冷笑的になってしまった人によって馬鹿にされるかもしれません。これはあなたについての話しというよりも、彼ら自身についての話なのです。
3. 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。それでもなお、成功しなさい。
友達の分類
- 「個人的な」友達(「本当の友達」;いつもあなたと一緒にいてくれる存在)
- 「地位的な」友達(互いに仕事の役に立つ)
- うその友達(あなたとあなたの地位を利用しようとする人たち)
敵に対処するための簡単な方法:心を開いて公平に扱う
- 彼らの行動をあなたへの個人攻撃と考えないこと
- 誰かがあなたを敵とみなしても、あなたはその人を敵とみなす必要はない
一番大切なこと
本当の友達から離れないこと。
4. 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
重要なことは人生をどう生きるか
大切なことはあなたがどんな人かということ。誠実に寛大に生きている限り、他人がそれを知っているかとか覚えているかということは問題ではありません。
5. 正直で素直なあり方はあなたを無防備にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
強い人間関係を築けるのはどんな時か
お互いに正直で率直である時。お互いに相手がどこに立っているかが分かる。
家族や組織内の関係で最も大切なことの1つは「信頼」
感じていること、考えていること、願っていること、恐れていることを隠したままでは信頼を築くことはできない。無防備な状態は新しい人間関係へのドアであり、新しい機会へのドアです。成長する自由がやってきます。
6. 最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。それでもなお、大きな考えをもちなさい。
世界が求めているもの
- 大きな人びと…寛大で、原則をしっかりともち、コミットしていて、心を開いて新しい思考と行動で機会をとらえ問題を解決する
- 大きな考え…真の意味で違いを創りだす考え、大いなる変化を生み出す考え、パラダイムの転換を呼び起こすような考え
大きな考えを誰かに撃ち落とされたら
それを拾って、埃を払って、再び活動を始める。
7. 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。それでもなお、弱者のために戦いなさい。
人生の中で最も意味のあること:弱者のために戦うこと
あなたの助けを必要としている弱者に出会った時は、あなたがあなたであるというただその理由において、あなたが正しいと信じていることの名において、助けてあげるべき。
8. 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築きあげなさい。
やがて失われるとしても築きあげる理由
築くという行為そのものが喜びと満足をもたらしてくれるから。築くことによって得られる喜びと意味は永遠に継続するから。
9. 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。
人を助けてあげるときに大切なこと
その人の尊厳を損なうことなく、選択肢を残しておくこと。助けを必要としているかどうかを慎重に見極め、必要としているとすれば、どういう助けが適切であるかを知る必要がある。
10. 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。
最善を尽くすことの代償
最も高い唯一の代償は、最善を尽くさないこと。最善を尽くさなければ、あなたは本来のあなたではない。
それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条
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