[本]『年商5億円の「壁」のやぶり方』(坂本桂一 著)
『坂本桂一の成功力』 に影響され2冊目。"「会社」と「事業」を大きくした経営者なら誰でも知っている秘密"と銘打たれているのに恥じない、学びの多い著書でした。私には正直「5億円」という指標に実感はまだありませんが、 要は1人の優秀な個人から成り立った人の小さな集まりが、いかにすれば企業組織として脱皮できるのかという内容に感じました。既に起業した経営者や、これから起業をしようとしている人たちにとってはおすすめできる著書です。
マーケットの声を聞くな、クレーマーの声は聞け
- 顧客からの要望を細かく商品に反映していけば、売れる商品になると考えるのは年商5億円以下の会社の発想。
- 顧客の声を端から商品化していったら、行き着く先はオールインワンに決まっている。そして、オールインワンというのは誰も必要としていない商品。
- いま売れている商品に詰まっているのはそれを作った人たちの「知恵」。
- 考えることを放棄した会社に未来はない。
- 顧客の声を大事にするというのは、一見もっともらしいものの、その実は思考停止と同じこと。つまり未来のない会社の典型だと思って間違いない。
- 耳を傾けるならクレーマー。どんな情報も漏らさず貪欲に取り入れ商品開発のヒントにするという会社から次のヒット商品は生まれる。
- ベンチャー企業には適さない方法。ポストだけを先につくっても、その職務を全うできる人材が社内にいるとは限らない。
- 人材優先、人に合わせて組織図をつくるというのが組織づくりの基本。
- やるかやらないかではなく、1,000万円以上の買い付け契約は必ず社長の決済を仰ぐというように、部下の能力や会社の成長段階、社長の仕事量などを総合的に判断し、どこまでやるかを決めることが大事。
- 常に全体の利益を考え、最良の選択と判断をするのがトップの役割。
- 社内の一体感を高めるためには、社員が社長の考えを知る機会を増やす必要がある。
- 社長は社員とコミュニケーションを深めるのに役立つと思うことは何でもやらなければならない。
- 若い社員のためにメールやブログなんてやっていられないという人は社長失格。
- 危機感の共有…「自分たちはまだまだだ。走るのを止めたらあっという間に抜かれてしまうぞ」と繰り返し伝える。
- マンネリの打破…職人のメンタリティーを様々な手法を用いて社員に伝える。
- 「IPOをすれば創業社長は大金持ちになれる」というのは間違い。
- 株式公開などせず、会社の純利益を社長のボーナスにすることで数年で公開益と同じ額の金が自分のものになる。
- 「株式公開しているから取り引き条件が有利になる」などということはまずない。
- 最近は証券会社に言われるままにIPOをした結果、不利益を被ったり、経営に支障をきたすようになったりといった悲惨な会社の方が目につく。
- IPOがプラスにならないどころか、時に会社経営にとってマイナスに働くこともある。
- 赤字が出せなくなる。
- 情報を公開しなければならなくなる。
- 事前にリスクを明らかにしなければならない。
- 公開維持コストがかかる。
- 社長の時間が奪われる
- したほうがいい…電気自動車や風力発電のような装置産業、不特定多数の人から資金を集めたい/社債を発行したいという明確な目的がある会社、たくさん企業買収を繰り返す予定のある会社
- しないほうがいい…年商10億円で3億円の利益を出しているようなデザイン会社
- 社長はまず、いままで自分はこうやってうまくやってきたという意識を、あえてきっぱり捨ててください。それが自分のプライドを傷つけ、将来に対する恐怖を引き起こすことになってもです。それに耐えられないような人は絶対に次のステージにはいけないと断言しておきます。
- いつまでも昨日のベストにこだわっていたら、それが成長の足を引っ張り、会社のクオリティーを劣化させる。
- 求められているのは攻撃的な経理。年商5億円未満の経理は過去の整理が目的ですが、年商5億円以上の経理は会社の未来のために存在する。
- 社長ならコスト削減のために節約をするより、どうすれば利益率が1%上げられるか/売上を1%アップできるか・原価率を1%下げられるかにその情熱を使うべき。
- そのパートナーが経理。
- 用心深さ(事を起こす前にあらゆる可能性を徹底的に考える。やるときめたら絶対に成功させてみせるという意気込みで一歩を踏み出す勇気も必要)
- 決めたらぶれない(必ず社長が最終判断し意思を持って決めることが重要。意見をとりまとめただけの平均値をとっても成果は上がらない)
- 先見性がある(ひたすら考えろ)
- 約束を守る
- 社員に誠実(自分のポリシーは曲げないし口にしたことは絶対に実行するという姿勢を常に崩さない。社員に対し誠実に振る舞う)
- 競争の水準を示せる(頑張るべき競争の水準を論理的かつ正確に示す)
- 自分より能力がある人を使える(相手の価値観を尊重する、自分は決して偉そうな態度をとらない、そして自分よりもリーダーたちが働きやすい環境は何かということをひたすら考え、それを用意する)
- 自分より能力がない人を使える(どの社員にも平等に接するし、社内のどんな声にも真摯に耳を傾ける)
- 24時間仕事のことを考えられる(いつも仕事のことばかり考えていられないというならその人は、所詮社長の器ではない)
- 教養がある(教養を身につけること)
- 有能な秘書を雇う(業界の役員になったり、テレビに出たりということも、会社の業績アップに直接つながるものでない限り、やめたほうがいいでしょう)
自ら限界をつくらない
お金というのは制約条件ではない。足りないものをどうやって知恵で補うかが勝負の分かれ目。
最初に組織図をつくってはいけない
売上の伸びと社員数の増加をシンクロさせるカギ
どれだけ隅々まで社長の意思が伝わり、なおかつ組織として一体感を保てるか。
権限委譲
社長はあらゆる手段を使って社員とコミュニケーションを図れ
ヤマダ電機、ユニクロが急成長している最大の要因
会社をもっとよくしたい。隅から隅まで完璧にしたい。そういう気持ちが強いから、細かいところまで気になり、思わず口に出さずにはいられなくなってしまう。という「トップ(山田昇、柳井正)の姿勢」。
社員に社長は特別と思われてはならない
社長は自分の弱点も含めて、裸の自分を社員の前にさらさなければならない。
社員とのコミュニケーションの重要性
IPO(株式公開、上場)の誤解
時価総額
時価総額=株価×発行済み株式数
PER(株価収益率)
PER=時価総額÷税引き後純利益
IPOの代表的なデメリット
IPOの最大のメリット
新株を発行して株式交換で企業買収ができるようになる。
IPOをしたほうがいい会社、しないほうがいい会社
レバレッジド・バイアウト(LBO)
自己資本が少ない会社が、自分のところよりも大きな会社を買収する手法。
デット・エクイティ・スワップ(DES)
負債(デット)を資本(エクイティ)に入れ替える手法。
マネジメント・バイアウト(MBO)
会社の経営陣が、自社の経営権を手に入れるために株主から株を買い取ったり、事業部門のトップが、その事業部を会社から譲り受け独立したりするというもの。
それまでのやり方をすべて見直せ
未来のための経理を
外部の弁護士に最初から契約書の作成を任せるのは問題外
まず自社でシナリオを描き、それに見合った契約書の下書きを作成し、最後にそれが法律上正しいかチェックするために弁護士に確認してもらう。社内にそれができる体制をつくるべき。
社長に必要な資質
年商5億円の「壁」のやぶり方
コメント
コメントを投稿