[本]『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本哲史 著)

童心に帰りたくなるほど面白い本です。ビジネス書大賞というだけあってか、非常に学びの多い本でした。簡にして要を得ている、鋭い視点が満載。著者の触手が幅広く、読んでいて退屈しません。読んでいる最中、Steve Ballmerの動画を見て爆笑したり、ブラック企業に関する記述などは頷き過ぎて首が痛くなる本です。個人的にはリベラルアーツの礼賛や、学生時代たまたま出会った良書の名前が挙げられていたことは少しニヤリとするところでした。読むのが少し遅かった。でも、遅過ぎはしなかったと思っています。優先度を上げて読まれることをオススメします。

※メモ※

本書の中心

  • この十数年で日本に本格的に到来した資本主義の新しい流れ
  • その世界をサバイバルするために絶対必要な「投資家的な生きる知恵」

大切なのは、投資家的に考えること

資本主義の本質を理解すること。資本主義のメカニズムを正確に認識し、日々刻々と変わる情報を察知して、インプットを変えることでアウトプットである自分自身の行動を具体的に変えること。決して、不労所得を得ることではない。

現在のビジネスパーソンを取り巻く状況の分析

語学や会計知識、ITスキルの習得と、収入の増加には、実際には因果関係がない。

英語を上達させる最良の方法

日本語をいっさい聞かない、読まない、見ない環境に身を置く。

「コモディティ」とは

スペックが明確に定義できるもの。市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってみればどのメーカーのどの商品を買っても大差がない状態。

これからの時代、すべての企業、個人にとって重要なこと

スペシャリティ(speciality;他の人には代えられない、唯一の人物。他の物では代替することができない、唯一の物)になること。コモディティにならないようにすること。

スペシャリティになるために必要なこと

資本主義の仕組みをよく理解して、どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのか、それを熟知すること。

資本主義の社会でお金を増やすことができる人

より少ないコストで、みんなが欲しがるものを作った人。

リーマン・ショック以降、労働者の賃金が下がった本当の理由

技術革新が進んだため。「派遣」という働き方を導入したことが本質的な原因ではない。

投資の鉄則

  • 「ブームとなってから投資すると、死ぬ」
  • 「高すぎる株は買ってはいけない」

ブラック企業の見分け方

  • 新しいサービスや市場で、非常に業績を伸ばしているように見える。
  • やたらとテレビコマーシャルを売っている。

中小企業でブラック化するパターン

勘違いカリスマ社長が君臨し、イエスマンだけが役員に残り、社員はみな奴隷。

儲かる漁師

  1. 商品を遠くに運んで売ることが出来る人(トレーダー)※今後は生き残りが難しくなるだろう
  2. 自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)※今後は生き残りが難しくなるだろう
  3. 商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
  4. まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
  5. 自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
  6. 投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)

これからのビジネスパーソンに求められること

一人のビジネスパーソンが状況に応じて、この4つの顔を使い分けること。仕事に応じて、時にはマーケターとして振る舞い、ある機会には投資家として活動していく。

「マーケター」の定義・重要なポイント

  • 顧客の需要を満たすことができる。
  • 顧客自体を新たに再定義する。
  • 人々の新たなライフスタイルや、新たに生まれてきた文化的な潮流を見つけられる。
  • 世の中で新たに始まりつつある、かすかな動きを感じ取る感度の良さと、なぜそういう動きが生じてきたのかを正確に推理できる分析力。
  • 「ストーリー」や「ブランド」といった一見捉えどころのない、ふわふわした付加価値や違いを作れる。
  • 「差異」=「ストーリー」を生み出し、あるいは発見して、最も適切な市場を選んで商品を売る戦略を考えられる。
  • 自分の商品やサービスの「信者」と作り出すこと。

「ファイナルファンタジー」の名前の由来

映画のようなキャラクター設定と練りこんだストーリー、斬新なゲームシステムや芸術性の高い音楽など、自分たちの思い描いていた「理想のゲーム」の要素を思い切り盛り込み、「最後の夢」を託すという意味を込めて名付けられた。

NOKとガラスメーカーから学べる教訓

ある分野ではコモディティ化して価値を失ってしまった技術でも、まったく別の分野に応用することで新しい価値を生み出す可能性がある。

学生の就職人気企業ランキングの意義

「もうそろそろ潰れそうな会社の指標」

現在、凋落している業界にチャンスが眠っている

ニーズ自体が消滅しているわけではまったくないから。

アップルが1984年に市場に投入した革新的なパソコン「マッキントッシュ」の当時のテレビコマーシャル

イノベーションの本質

既存のものを、今までとは違う組み合わせ方で提示すること。正しい訳語は「新結合」。

本当の「マネジメント」とは

ダメなところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずとも、モチベーション高く仕事をしてもらうように持っていく。凡人をうまく使うスキルを学ぶことが大切。世の中のほとんどの人は凡人。

スティーブ・バルマー Steve Ballmer

「君子豹変、小人革面」

[訳]君子は時に応じて、豹の毛が生え変わるように鮮やかに変化する。本当に、ひとかどの人物であれば、変化や改革を恐れない。必要であれば、あるいは過ちと分かればがらりとやり方、態度を変えたりもする。ところが小人は表面上それを受け入れるそぶりをしつつも、旧来のやり方や面子にとらわれて、古いやり方や一度口にした自説にこだわってしまう。

資本主義社会における究極

すべての人間は、投資家になるか、投資家に雇われるか、どちらかの道を選ばざるを得ない。

投資家として生きるために重要なこと

人生のあらゆる局面において、「ローリスク・ローリターン」の選択肢を選んで安全策をとるより、「ハイリスク・ハイリターン」の投資機会をなるべくたくさん持つこと。

ただし、「自分で管理できる範囲でリスクをとれ」

投資家がリスクをとるときは、必ず「計算管理可能なリスク」の範囲内で投資を行う。

人生の重要な決断をするときに覚えておくべきこと

  • リスクは分散させなくてはならない。
  • リスクとリターンのバランスが良い道を選べ。

バフェットから学べる投資の鉄則

  • 短期的な儲けではなく、長期的な視点で意味のあることに投資せよ。
  • 人を見て投資せよ。

日経新聞を信じるな!

「日経ぐらいは読んでおかないと恥ずかしい」と説教されることがあるようだが、日経の記事をそのまま信じるほうがよっぽど恥ずかしい。

日経の記事はまったく金融がわかっていない奴が書いている。

ある出来事が「サイクル」か「トレンド」かを見分ける感度を磨くためにオススメな方法

2年前の日経新聞や日経ビジネス、週刊ダイヤモンドなどの経済誌・経済情報誌をしばらく読んでみること。

最も効果的な投資方法

株式投資ではない形で、インサイダー取引をすればいい。自分の知識や労働力や人脈を投資して、インサイダー取引をすればいいのである。

本当の意味で「英語ができる」とは

ネイティブに近い流暢な発音で話せるなどは問題ではない。共通言語としての英語できちんと自分の意思や知識を伝えられることが重要。

奴隷の勉強、自由人の勉強

  • 奴隷の学問…英語・IT・会計知識
  • 人間が自由になるための学問…リベラルアーツ(歴史、哲学、芸術、文学、自然科学全般)

君たちはどう生きるか

人間は人間同士、「人間分子の関係、あみ目の法則」で、びっしりとつながり、おたがいに切っても切れない関係をもっていながら、しかも第部分がおたがいにあかの他人だということだ。そして、このあみの目の中で得な位置にいる人と、損な位置にいる人との区別があるということだ。




僕は君たちに武器を配りたい
僕は君たちに武器を配りたい

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