[本]『科学的な外国語学習法―日本人のための最も効率のよい学び方』(佐伯智義 著)
「日本人のための最も効率のよい学び方」と銘打っているように、いかにして効率的に外国語を学べば良いのかということについて書かれたのが本書です。テストで点数を取るためなどではなく、一貫して本質的な言語力の向上のための方法について書かれています。
世の中の言語の達人たちに「何かいい参考書やオススメの書籍はないか」と聞けば、10人に7人くらいはこの書の名前を口に出すという名著です。
特に印象的だったことは、対象とする外国語で単語/文法の学習をする必要があるということ。英語ならば英英辞典、ドイツ語ならば独独辞典、フランス語ならば仏仏辞典…という具合。これは過去行ったことがありましたが、挫折していました。もう1度試してみようという気になっています。英文法を英語で学べる書籍を幾つかピックアップしておきます。
※メモ※
外国語がうまくなりたかったら…
- 恥をかこう
- 知的にも心情的にも、自分の故郷と異なる外国そのものを喜んで受け入れよう
単語を覚えるためのアドバイス
○「テキストを何回も読め!」
×「辞書は何回でも引け」
外国語上達に不可欠なこと
外国語だけを音だけで理解すること→毎日、必ず2時間44分以上聞く。
ただ聞くだけでなく、自分でも一緒に唱える
音を聞いたら、自分でその音を再現する練習は絶対に必要。
外国語学習で常に考えねばならない3つのこと
- 品詞
- 機能
- 文の構造
名詞について考えなければならないこと
- すべての名詞は3人称
- 数を考える。目が必ず語尾に行く習慣をつける
- 性を考える。フランス語では不定冠詞、ドイツ語では定冠詞を名詞の前につけて名詞を唱える
- 前置詞が名詞の前にあるか、ないか。
- 位置について考える。動詞の前か後ろか、冠詞や形容詞の後ろか。
- 機能(格)を考える
冠詞について考えなければならないこと:「不定冠詞と定冠詞は互いに対立するものだ」
- テキストにあるすべての冠詞についてチャックする。不定冠詞?定冠詞?部分冠詞?なし?
- 冠詞の用法について考える。なぜその冠詞がついているのか。ついていないのか。
- 作文作成時、どの冠詞を使うべきなのかを必ず考える。間違っても、まずは考える習慣をつけることが大切。
- フランス語ドイツ語では、性と数で冠詞は名詞と一致しなければならない
- ドイツ語では格で冠詞と名詞は一致しなければならない
- 名詞に冠詞がついていなければ、それは慣用句であるかもしれないので、辞書で確かめる
- 名詞の前には冠詞があるはずだと思って、必死に耳を傾け、冠詞を聞き取るよう努める
代名詞について考えなければならないこと
- 人称について考える:1人称?2人称?3人称?
- 性について考える:男性?中性?女性?
- 数について考える:単数?複数?
- 前置詞が代名詞の前にあるか?ないか?
- 位置について考える:動詞の前か後か?直接目的語と関節目的語との前後関係
- 機能(格)を考える
形容詞について考えなければならないこと
- 位置についてチェックする:BE動詞の後か?名詞の後か?名詞の前か?
- 機能を考える
- 性と数を考える
- (独語)Attributの用法の時、形容詞が修飾する名詞についているのは不定冠詞か?定冠詞か?冠詞なしか?格が何格か?
動詞について考えなければならないこと
- 人称を考える
- 数を考える
- 主語の人称と数との一致をチェック
- 時制を考える
- 法を考える:直接法?接続法?命令法?不定法?分詞法?条件法?
- 種類を考える:他動詞?自動詞?非人称動詞?代名詞動詞?再起動詞?
前置詞について考えなければならないこと
- 位置について考える
- 名詞の前に前置詞をつけるべきか?つけてはならないのか?
- (独語)対格をとるか、与格をとるか
副詞について考えなければならないこと
接続詞について考えなければならないこと
- 接続詞は変化しない
- 接続詞を見つけるために文全体を分析して文の構成を把握する
- 等位接続詞を使うか?従位接続詞を使うか?
- (独語)副詞が接続詞として使われると、接続詞+動詞+主語の語順となる
動詞の変化の覚え方
動詞の変化は口を閉じたまま上に書いて覚えるのではなく、何回も大声で唱えて覚えるもの。
外国語学習の鉄則プーマ
少ない教材で十分によく勉強せよ。
単語の意味は、日本語ではなく、学習言語で覚える
外国語の言葉の意味を、日本語で理解しておかない方が身のため。
派生後、反意語も覚える
ヨーロッパ人は相反する関係で物を見る。
正確な発音で単語を覚える
単語は必ず声に出して音で覚える。
書き取りをやる
書き取りは非常に有効な外国語の勉強法。
外国語の作文で絶対にやってはならないこと:日本語からの翻訳
日本語の原稿を作り、それを外国語へ翻訳することをすれば、でたらめな文章になること受け合い。
文法は日本語ではなく、学習言語で覚える
英語の文法は英語で、フランス語の文法はフランス語で、ドイツ語の文法はドイツ語で。
科学的な外国語学習法―日本人のための最も効率のよい学び方
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