[本]『新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編』(渋井真帆 著)

決算書関連の入門書籍を読み漁っています。本書は、『「俯瞰」でわかる決算書』と比べると、やや詳しく書いてある印象でした。分り易いことには違いないですが、最初に読む書籍としては少し難しいかと思いました(覚えるべき用語なんでしょうが、見慣れぬ漢字の羅列というのはなんとも眠くなります)。『「俯瞰」でわかる決算書』が経営者向けであると感じた一方で、こちらの書籍はどちらかというと株式投資をする人向けのように思います。

ただ、著者の渋井さんの資本主義を俯瞰するような視点は非常に共感しました。あと、この書籍、上下巻に分けても良いかなと思いました。上巻は説明編、下巻は実践編。その上で、下巻をもう少し充実させても良いかと。逆に言うと、この内容は盛り沢山すぎてビジネス書としては情報量が多すぎる印象でした。批判をしているようですが、決してそんなことはなく。「教科書」として割り切れば、著者の優しい語り口で解説してくれることもあり、非常に分り易い教科書であることには違いないです。決算書関連の本で、どれか1冊だけを完璧にしたいなら、この書籍が今のところ最もお勧めできます。


※メモ※

「稼ぎ力」とは

自分の持っている知識、見識、情報、経験、発想、人脈などを駆使して社会にモノやサービスとして提供し、富に変える力。

決算書の分析で重要なポイント:「比較」

  1. 同業他社と比べる。
  2. 過去と現在を比べる。
  3. 計画と実績を比べる。

決算書の比喩

  • 貸借対照表(BS)…企業の「健康診断書」。お金を返せるかどうかを示した書類。お金の貸し手向け。債権者のため。
  • 損益計算書(PL)…企業の「成績表」。利益がどのように生まれたのかを示す書類。投資家や税務署向け。株主のため。
  • キャッシュフロー計算書(CF)…企業の健康診断書のうちの「血液診断」。現金の出入りを示した書類。

決算書の読みこなし方を学ぶこと=株式会社のしくみを学ぶこと

決算書は人間の欲望や行動を貨幣という単位で表した暗号のようなもの。

貸借対照表

:決算時点での財産の状況を表したもの。

  • 左側:「資産」=「お金の使い道」を表わす
    • 流動資産
    • 固定資産
    • 繰延資産
  • 右側:「負債(期限が来たら返す)と資本(返さなくてもいい)」=「お金の出どころ」を表わす
    • 流動負債…短期(1年以内)に支払わなければならない負債
    • 固定負債…長期で支払う負債
    • 資本金
    • 剰余金

貸借対照表の記載順

上から下に、流動性の高い順から載っている。資産は換金しやすい順、負債は早く払わなければならない順。

貸借対照表と損益計算書の関係

損益計算書が、貸借対照表の剰余金の中にすっぽり含まれている。

キャッシュフロー計算書の望ましい姿

  1. 営業キャッシュフローはプラスがいい
  2. 投資キャッシュフローは、営業キャッシュフローの範囲内でマイナスがいい
  3. 財務キャッシュフローはなるべくマイナスがいい

株式会社の活動サイクル

  1. お金を集める(調達)…BSの右側
  2. ヒトを雇い、工場を建てたり原材料を買ってきて商品を作る(投資/運用)…BSの左側
  3. 営業や広告をして売上を上げ、利益を出して国に税金を払う…PL
  4. 株主に配当を払って残った儲けを貯める(上記1に戻る)…剰余金計算書

決算書における7つの主要項目

  • 貸借対照表
    • 総資産…どのくらいの規模の資産で事業を行なっているのか
    • 自己資本…返さなくていいお金の大きさ
    • 有利子負債…利息がかかる負債=短期借入金+長期借入金+社債
  • 損益計算書
    • 売上高…商品サービスの販売高、提供高
    • 営業利益…本業の儲け
    • 経常利益…本業以外の儲けや損失を加味した儲け
  • キャッシュフロー計算書
    • 営業キャッシュフロー…本業で稼いだキャッシュ

3つの指標(PER、PBR、配当利回り)

  • PERは株価と損益計算書の関係
  • PBRは株価と貸借対照表の関係
  • 配当利回りは株価と剰余金計算書の関係

PER(株価収益率)

PER=株価/1株利益。 最初に使ったお金を何年で回収できるか。

PBR(株価純資産倍率)

PBR=株価/1株当たり株主資本。 企業の「解散価値」。




新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編
新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編

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