[本]『起業家』(藤田晋 著)
サイバーエージェント代表取締役社長、藤田晋さんの新刊です。『渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)』がもう8年も前なんですね。ここ2、3年の記述が少し薄いですが、この日付感覚は個人的によく分かります。彼が真面目に仕事をしていなかったら、もっと厚い記述になっていたかと。経営者、起業家の藤田晋氏が何を考えていたかを知るための本というよりは、一人の人間、藤田晋さんが経営者の立場でどんなことを思っていたのかを知る本という印象です(微妙な差異ですが…)。結論、非常に人間味を感じました。私が感じていた以上に、真面目で堅実で小心者に記述されていました。後半にどこかで見かけた名前が出てきて少しギョッとしたりもしましたが。。。アメーバ収益化に向けていかに藤田氏が尽力したかを知りたい方、社員が長く働いてくれる会社をいかに作るかのアイデアを欲している方にはオススメできる本です。
※メモ※
2003年秋の役員合宿での重要決定
「長く働く人を奨励する会社にしよう」という考え方。
日本の採用市場の事情
新卒採用時に優秀な人材を獲得しておかないと、中途採用だけで人材を揃えるのは困難。優秀な人材は新卒で大企業に入ってしまうと、簡単には辞めず中途市場に出てこないため。
社内の活性化策
- 社員総会で活躍した社員を派手に表彰
- 会社の壁に昇格祝いやキャンペーンのポスターを張り出す
- 新入社員の机にバルーンを揚げて周囲の人に名前を覚えてもらう
- 社内飲み会を奨励する
- 毎月目標を達成した部署には飲み代を支給し、翌日の半休をセットでつける
福利厚生に力を入れる理由
社員を新たに採用するのにかけるコストよりも、長く働いてもらうためにお金を使ったほうが安くて効果的
藤田氏が感銘を受けた本
ソニーの盛田昭夫さんの『MADE IN JAPAN』
ホンダの本田宗一郎さんの『得手に帆をあげて』
会社が「社員を大事にするよ」と呼びかければ、社員も「会社を大事にしよう」と応える。考えてみればとても単純なことでした
新規事業に投資する際の基準となるルール
- 1年半で黒字化しないと撤退
- 小さく生んで大きく育てる
- 赤字の下限を決めている
堀江さんの意味深発言
「名乗りを上げるのはただ(無料)。これは発見だったよ」
総合プロデューサーとしての心得
何度も繰り返し言い続け、自分でやってみせ、背中で見せない限りはダメ。
ページビューを伸ばすのは「コンテンツ」よりも「技術力」
快適な「サーバレスポンス」や、画面遷移やレイアウトやデザインなどの「UI」といった技術力がページビューを伸ばす。
アメブロのアクセス数は時代の羅針盤
アメブロのアクセス数の伸びを見ていれば、無名でも、今後人気が出そうなタレントが分かる。
藤田氏の考える「起業家」
不可能を可能にするのが起業家です。
皆の反対を押し切っても、逆風に晒されても、窮地に追い込まれても、それでも自分が本気で熱狂しているものなら不屈の精神で乗り越えなければならないのです。
熱狂は、それを成し遂げるためであれば、さまざまな困難、孤独や憂鬱や怒りを乗り越える力を内包したものだと私は思います。
幻冬舎の見城社長が藤田氏に贈った言葉
絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ。
起業家
コメント
コメントを投稿