[本]『新規事業がうまくいかない理由』(坂本桂一 著)
坂本桂一さんの本です。企業に勤めていることが前提で、新たに新規事業のことを考える人/実行することになった人にとっては非常に有意義な本だと思います。
事業コンセプトや収益構造の設計にこそ最大限に力をそそげ
新規事業を立ち上げる際に大事なのは、限られたリソースをどこに集中するかということ。全方位にまんべんなく労力をかけたり、ロゴとか中期計画とかそんなものは実際にその事業がスタートするまでは放置でいい。
起業を成功させる第一歩
まずひとつ成功事例を作る、そのためにあらゆるリソースを重点のみに集中投下する。
新規事業プロジェクトのメンバーに求められる能力
自分の頭で新しい分野を考えだす「数学者の能力」。いかに速く計算ができるかといった「算数の力」ではない。
「考える」とは?
あらゆる仮説を出し、そのなかからもっとも勝てる可能性が高いものを選び出すこと。(すべての仮説を等しく検証する必要はない)
過去の経験のなかに課題解決の方法を探すな
過去の経験や事例というのは、参考になるよりも、むしろ新しい発想を妨げる足かせになる危険の方が大きい。
新規事業の鉄則
ビジネスを成功させるには何をどうすればいいかをゼロベースで考える。
明確な撤退のルールに関して徹底しておくべき重要なこと
- こうなったらやめるというルールを初めに決めておくこと。
※どういうルールが適切か、ということではない。 - 撤退ということになっても、それはルールに従ってそうするので、責任追及やマイナス評価や不名誉にもならないことを全員が合意したうえではじめること。
新規事業の意思決定にかかわる人間はできるだけ少ない方がいい
理想的なのは、本社の社長(またはそれに代わる人)と新規事業の実務担当者が同等の権限を持って、一対一で話し合って決めるというシステム。意思決定はあくまで二人だけで行う。この時に両者の意見が一致しないときにはどうするかというルールは必ず決めておく。
ビジネスプランにおいてPLよりも重要なもの
この事業の目的は何で、それを達成するためにこういうことをやっていくということを、仲間だけでなく不特定の第三者が見ても、そのビジネスの概要がわかるように文章にまとめたもの。考えていることの細部まで伝わるよう、できるだけ詳しく書き込んだほうがいい。
楽観的な計画を作らない
きわめて現実的な計画を作りなさい。
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